ほとんど線

日暮れの前の前の雲のない青空から、和風の色の夕焼け空──和風っていったのは、オレンジジュースの色ではなくてむしろ地味な灰色がかったような紫がかったような色で──が空の底の辺りに広がっていてそこに向かって、ほとんど線みたいな飛行機雲がすーっと下へと緩やかに向かって、伸びていて、
その遠さのせいかファンタジーのようにも感じられて、けれど同じ地球で起こっていることでというかむしろ近くで実際に飛んでいる飛行機という日常かつ現実であって、
絵的にきれいだなあと思ったり、文明だなあと思ったり、なんか怖いなあという気にもなったり、
した。