『ブラフマンの埋葬』

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)

「感想」は自分には無理な気がしてきたので、読んで気付いたこと、思ったことを書きます(笑)。(それがつまり感想だよ、と言われればまあそうなんだろう)
 再読だったはずだ。でも覚えてないなあ。結末とか娘が出てきたりとか全然覚えていなかった。<創作者の家>やそこに住む人のことは読んだらそういえばという感じだったけども。

名前を教えていなかったことに、その時僕は初めて気づいた。
ブラフマン、っていうんだ」

「僕」は娘に(文庫では)160ページで名前を教える。そういえば娘の名前を読者は教えてもらっていないと思ったが、「僕」の名前だって教えてもらっていないのだった。
 このタイトルなんだから、そうか。結末を覚えていない私は読みながらタイトルの「埋葬」がちょくちょく気になっていた。
 このタイトルだからなあ。埋葬だよ。思い返せば、なんだかとても危なっかしい命だった(っていうのは、つまり、「埋葬」って言葉がタイトルにあるからこそだろう)。生まれてそんなに経っていないようだし、レース職人はいるし、保健所の友人もいる。