「笑い坊主の行方」



 彼のことをご存じだろうか。笑いが沸くところに彼も湧く。笑う門には彼が湧くのである。一度の笑いに一つの彼。わっはっは、くくっ、ふふふふ、ひーっひっひ、けっ。ぽこぽこと湧く、たくさんの彼。
 と、それはいいのだが後始末の話。いつまでも笑っている訳にもいくまい。笑いが絶えない楽しい一家も眠るときには笑わないのである。眠るときにも笑っている一家があればそれはまた別のお話。沸いた笑いはいつかは消える。すうっと引く。しかし坊主は消えぬ。笑いはまた起こるだろうがその時はまた別の坊主が湧くだけのこと。ぽこぽこと。
 さて人口の多い例えば都心部で最近無表情な人間が増えたと聞いたことがおありではないだろうか。はたまた最近男が増えていると聞いたことは。




というようなことを書いているよりももっと何か10月4日の日曜日までにすることがあったような。