クリスマスプレゼントをもらえる予定で夜更かしする子は要注意

 サンタクロースの苦労は多い。まずトナカイのソリと仲良くなる苦労。みんながみんな最初から格好良く乗りこなせると思ったら大間違い、これが実に一苦労だ。たった一日のために一年間の特訓! 煙突を通り抜ける苦労は昔よりずっと減ったが、そのぶん煙突の代わりの入口を見つける苦労が増えた。それに子どもたちから隠れる苦労。サンタの正体を見たい子どもは今もあまり減らない。そのことにも関連するのだが、最大の苦労はその夜のうちに子どもたちに配りきることだろう。なんと言ってもサンタクロースはその一晩に一人しかいないのだから。二十五日は大忙しだ。なかなか寝てくれない子にはサンタクロースはなかなかプレゼントを配ることができない。正体見たさに起きてる子どもは後回し! 早く寝た子から配って行こう。それでも毎年、最後の最後まで起きたまま頑張り通すガッツのある子がいる。ベッドで起きていられちゃサンタクロースは手も足も出ない。じっと洋服ダンスの陰に隠れてその子が眠りに落ちるのを待つのだが子どもは粘り強く、朝が来てしまう。「あれ?」と子どもは思うだろう。なんてことだ、プレゼントもらえなかった、と。続いて思うはずだ。「あれ? ひげが生えてる」。もちろんひげは長くて白い。そして自分が赤い衣装を着たサンタのおじさんになっていることに気付くのだ! 代わりに、今年サンタをやった元サンタは、子どもに戻って手近なベッドで眠りに落ちる。一晩中働きまわったんだからぐっすりだ。


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 ああこれは「もう寝るよ。」を書こうとしてたんだなと思っていただいて結構だ!