「瓢箪堂のお題倉庫」から

「空中花」

秋の終わりは種まきをする。
屋根に向かってえいやえいやとまく。
ぱらんぱらん。
おいしくないので鳥は食べない。
冬がやってきて雪をどっかと置いていく。

春一番は行き過ぎて、それを追い越す春二番。
誰も見てない屋根にて芽が出る。
屋根から見えないつるのばす。
つるは一番おとなしい春風を巻きとめる。
つぼみがほころぶ。
花びらつくろう、針と糸。
屋根の上でたゆたう花と花と花と花。

隣に鯉のぼりが上がるころ、種がなる。
タンスの一番上の引き出しの中に。



「不響輪音」

土星とドーナツがどうでもいいことで怒鳴り合う中、
レモンスライスとレンコンスライスは酸っぱさについて議論する。
ミックスジュースのほのかな酸味、更に、
ファンタの炭酸、そして、
そばのそつない率直なその他。
らっきょうはらっかせいとオットセイとラッコでレンコンの味方。
しそもしじみもしみじみともみじもシナモンもレモンの味噌汁。
どなた様も独断と偏見を持たれまして土間の土曜の土管に集え。どくだみ茶で乾杯だ。


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タイトルはどちらも五十嵐さんところから。
めざせタイトルに対して蛇足なる本文。
「不響輪音」について。Q.何がしたいのか。A.謝りたい。
11あるお題の中で一番気になっているのは「間違い街角」。頭韻楽し。そして手が出ない。