結晶

 伊藤さんがかき混ぜているコーヒーに砂糖が溶けているように、空気中に二酸化炭素が含まれているように、光の中と影の中には物語がうろうろしている。光と影の境目には輪郭があり、私の店には私の吊ったのではない、鳥籠が吊られている。扉は無く、朝になるとぼんやりとカーテン越しの光が入り込む。そして籠の底に物語が沈んでいく、一枚一枚。


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第106回タイトル競作:結晶
出したの違いますが。というか今書いた。出したのと大して違わない。
カテゴリ名に深い意味はありません。カテゴリ以外にも特に意味はありま……。
そういや、7/7の星と願いごとの話は「結晶」からの出発でした。(笑)