ノック人とツルの森

 小説のあらすじを書き出すとか要約とか、苦手だし、とてもできないと思っていた気がする。小説以外の文章は別だけど、そんなの書いても、その小説の全然面白さは分からないだろ、って。
 何考えてたんだろうねえ、私は(答え:大して何も考えてなかった。かつ、「要約」と「あらすじ」をごっちゃにしていたっぽい。小説のあらすじはよく文庫の裏に書いてあっても、小説の要約とはあまり聞かなかったね)。あたり前じゃないか。それで良いんだ。

 それはそれとして。私は小説読む時に、ネタばれとかストーリーばれとかはだいぶ嫌だ。避けたい。
 それもそれとして、さてさて。

ノック人とツルの森 (Modern&Classic)

ノック人とツルの森 (Modern&Classic)

 昨日、感想書くつもりで挫折した。びっくりするほど大した内容にならないんだよ。文字数から何から。ついでに、「訳者あとがき」が素晴らしくってね、分かりやすいし、なるほどなあと思ったし、ノック人というのの意味も訳者あとがき読んでやっと分かった。そんなわけで諦めて今日書いている。
 とても読みやすい、というか、先の気になる小説だった。主人公は小学校に上がる女の子で、母親に、ノック人には気をつけなさい口聞いちゃだめと言われる。外に出れば近所の人はノック人だし、学校に行けばノック人の子どもだらけ、先生ももちろんノック人。
 初め、ファンタジックな話かと思っていたが、そうではなかった。楽しい話ではないかもしれない。だけど、女の子自身の強さや助けてくれる人の存在がある。ただ彼があんなことになった時にはちょっと嫌になったしなあ。小説の文章は読みやすかった。
 私は自分がその年の頃、何をどう考えていたのかさっぱりもう分からない。その頃の自分と今の自分が同じ自分ではないような気さえする。と、改めて思い出せる出来事を思い出してみて、でももしかしたら、ほとんど同じなのかなあ、と思った。