「ドミノの時代」

 わたし、倒すくらいしか知らないんだけど、なんだかすごく流行っているみたい。お正月に親戚みんなでドミノしたって、珍しいよね、今時親戚が集まるって、合コンでもドミノするんだって、ネットでドミノ対戦もできるみたい。友達、新婚旅行ドミノだって。今度写真見せてくれる。お土産もらった、これがドミノなんだよね。わたし、倒すくらいしか知らないんだけど。朝ごはんドミノってどういう意味かな。三食ドミノでいいよって。夢で駅前で会ったわたしの未来の結婚相手が言っていたの。全然知らない人、いきなり。ほんと流行っているんだね。わたし、テレビ見ないから。ラジオはよくつけているから、そうだね、ロックもポップスもドミノっぽいかも。よく分からないけど。仕事がドミノだっていう人がいて。倒れるのかな、夢で駅の手前の携帯ショップで会ったわたしの二番目の結婚相手なんだけど。四番目がいて、これは知っている人で、幼馴染みの、性格もいい子だし、いきなり四人目と結婚したらだめなのかな。あのね、三番目は、言いにくいんだけど、ドミノなの。ほんと分からないんだけど、すごい勢いで流行っているんだね。わたし、家ではテレビ見ないんだけど、ニュースもバラエティも毎日ドミノでしょう。クレイアニメだってあるし、小説もドミノ揃い。それでわたしも一つ、書いてみたんだけど、なんだかよく分からないの。




「500文字の心臓」第102回タイトル競作:ドミノの時代
 「ドミノ」は「ドミノ倒し」ではなくて「ドミノ」!と思いながらタイトルのイメージを立てようとした(←立ってくれず)。「時代」が難しく困ったなあということで流行りという意味でも行けるかと思った時には別解というか抜け道を見つけたみたいで嬉しかった。書き方がドミノ(倒し)に合っていたという評(解釈)を頂いて、なんというか、ラッキーなことだった。ええ、書いていったらあんな風になってたんだよ……。まだ文字数あるなとやっていってたら、結果、オーバーしています。
直し: 結婚相手の二番目→二番目の結婚相手/よくつけてる→よくつけている