2011-04-03 「天空サーカス」 続きの話 木の枝から垂れたくもの糸の先、葉っぱが落ちずにくるくるくると回り続ける。器用だね、と言うと、宙づりだ、との答え。糸がへへんと笑うが、無理をしているのは見え見えで、明らかに酔っている。その点、葉っぱの方は常日頃から風に揺さぶられ、挙句落ちることを決意した、老成したやつだから屁でもないよう。 くもが這って横へ来た。「暇だね」言われてしまった。足を止めることなく風が飛んでいく。 「500文字の心臓」第103回競作タイトル:天空サーカス